シマノ ICEBOX(アイスボックス) ST レビュー|保冷力やカラーが抜群のハードクーラーボックス
キャンプの必需品の一つ「クーラーボックス」。
特に夏キャンプでは、食材や飲み物などを保冷してくれるため、保冷力が高いクーラーボックスが欲しいところ。
保冷力の高いハードクーラーボックスといえば、「YETI」や「ORCA」を代表とする海外ブランドのクーラーボックスを思い浮かべませんか?
日本のアウトドアブランドからも保冷力の高いハードクーラーボックスは販売されていますが、そのほとんどは海外のOEM商品が多く、オリジナリティが少ないのが現状です。
でも日本の釣具ブランドのクーラーボックスは、事情が少し異なります。
釣具ブランドのクーラーボックスは、釣った魚の鮮度を保つため独自の技術を活かした、保冷力の高いものが多くオリジナリティに富んでいるのですが、その大半がホワイトや鮮やかなカラーリングで、アウトドアやキャンプには少し不向きな印象。
そんな中、日本を代表する釣具ブランド 「シマノ(SHIMANO)」が、アウトドアやキャンプ向けのにカラーリングを施したハードクーラーボックス「ICEBOX(アイスボックス)」が登場。
釣具ブランドのクーラーボックスだけに、保冷力に期待することはもちろんのこと、カラーリングにも期待大です。
それでは、今回はシマノ(SHIMANO)から登場した「ICEBOX(アイスボックス)」の仕様や構造、また実際に氷を入れた時の溶け具合なども詳しくご紹介致します。
ICEBOX(アイスボックス) / シマノ(SHIMANO) クーラーボックス
釣りをしない筆者でも知っている、日本の釣り具ブランドの一つ「シマノ(SHIMANO)」
その「シマノ(SHIMANO)」から今回登場したのが、アウトドアやキャン向けにカラーリングされたハードクーラーボックス「ICEBOX(アイスボックス)」
「ICEBOX(アイスボックス)」には、5つのカラーと3つのサイズがあります。
2024年には、新たに17Lサイズと新色モカが追加されました。
それぞれのカラーによって、保冷構造 (グレード) が異なる仕様で、合計15種類がラインアップ。
- ICEBOX PRO 30L (カーキ・モカ)
- ICEBOX PRO 22L (カーキ・モカ)
- ICEBOX PRO 17L (カーキ・モカ)
- ICEBOX EL 30L (チャコール)
- ICEBOX EL 22L (チャコール)
- ICEBOX EL 17L (チャコール)
- ICEBOX ST 30L (サンドベージュ)
- ICEBOX ST 22L (サンドベージュ)
- ICEBOX ST 17L (サンドベージュ)
- ICEBOX VL 30L (ミディアムグレー)
- ICEBOX VL 22L (ミディアムグレー)
- ICEBOX VL 17L (ミディアムグレー)
まずはサイズから見ていきます。
ICEBOX (アイスボックス) サイズ
ICEBOX(アイスボックス)には、
- 30L
- 22L
- 17L
の3つのサイズが用意されています。
ICEBOX (アイスボックス) カラー
カラーは、以下の5カラー。
- カーキ・モカ:ICEBOX PRO
- チャコール:ICEBOX EL
- サンドベージュ:ICEBOX ST
- ミディアムグレー:ICEBOX VL
ただし、カラーだけで選ぶのは禁物です。
何故なら、カラーによって保冷構造いわゆるグレードが異なるから。
例えば「カーキ」や「モカ」カラーが欲しい場合、一番グレードが高い「ICEBOX PRO」の一択(サイズは除く)になってしまいます。
ICEBOX (アイスボックス) 仕様
それでは、保冷構造(グレード)によるそれぞれの仕様をご紹介します。
どのグレードも蓋部分は、発泡ポリスチレン断熱材を使用しています。
ICEBOX (アイスボックス) PRO / カーキ・モカ
ICEBOX(アイスボックス)PROは、アイスボックスの中でも一番上のグレードにあたり、上面・側面・底面の6面に極厚真空パネル+発泡ウレタンを配置。
30L | 22L | 17L | |
---|---|---|---|
最大氷保持期間 | 10日間 | 6.5日間 | 6日間 |
重量 | 7.7kg | 5.7kg | 5.1kg |
ICEBOX (アイスボックス) EL / チャコール
ICEBOX(アイスボックス)ELは、アイスボックスの中で上から2番目のグレードにあたり、側面と底面3面に一体型の真空パネル+発泡ウレタンを配置。
30L | 22L | 17L | |
---|---|---|---|
最大氷保持期間 | 6日間 | 4.5日間 | 4日間 |
重量 | 6.1kg | 4.8kg | 4.2kg |
ICEBOX (アイスボックス) ST / サンドベージュ
ICEBOX(アイスボックス)STは、アイスボックスの中でも上から3番目のグレードで、筆者的にはスタンダードモデルではないかと思います。発泡ウレタンパネルを配置。
30L | 22L | 17L | |
---|---|---|---|
最大氷保持期間 | 4.5日間 | 3.5日間 | 3日間 |
重量 | 5.3kg | 4.2kg | 3.9kg |
ICEBOX (アイスボックス) VL / ミディアムグレー
ICEBOX(アイスボックス)VLは、アイスボックスの中でもエントリーモデルにあたり、発泡ポリスチレンパネルを配置。
30L | 22L | 17L | |
---|---|---|---|
最大氷保持期間 | 4日間 | 3日間 | 2.5日間 |
重量 | 4.8kg | 3.7kg | 3.4kg |
ICEBOX (アイスボックス) 価格
30L | 22L | 17L | |
---|---|---|---|
ICEBOX PRO (カーキ) | ¥60,500 | ¥57,200 | ¥56,100 |
ICEBOX EL (チャコール) | ¥36,300 | ¥34,100 | ¥33,550 |
ICEBOX ST (サンドベージュ) | ¥23,100 | ¥20,900 | ¥20,350 |
ICEBOX VL (ミディアムグレー) | ¥19,800 | ¥17,600 | ¥16,500 |
2023年1月25日現在
ICEBOX (アイスボックス) ST レビュー / シマノ
それでは、ここからは筆者が購入したシマノのクーラーボックス「ICEBOX(アイスボックス) ST」をご紹介。
まず購入した理由は、以下の通り。
- サンドベージュのカラーリング
- 「ゴツゴツした感」がないところ
- 蓋が両側に開くところ
まず一目惚れをしたのが、サンドベージュのカラーリングで、次に海外製のハードクーラーボックスの特徴である「ゴツゴツした感」がないところ。そしてシマノのクーラーボックスの特徴である、蓋が両側に開くところに魅力を感じました。
保冷力に関しては、後ろの方で紹介しています。
それでは、まずICEBOX (アイスボックス) STのディテールから見ていきます。
ICEBOX (アイスボックス) ST ディテール
濃くもなく薄くもないいい感じのサンドベージュ。
左に貼られている22Lの表示等はシールのため、剥がすことができます。
筆者もこの撮影後に外して使用しています。
サイドの片側下には、クーラーボックス内に溜まった水を抜くための、水抜き口が備わっています。
反対側のサイドは特に何も装備されていません。
水抜き口の水栓はクーラーボックス本体に付いているため、無くすことがありません。
またハンドル部分は、取り外しが可能です。
上部から見るとわかりますが、両方に取っ手が装備されていることがわかります。
また底部を見ると、地面に置いた際に地熱の影響を受けにくくなるよう、地面との隙間を確保した設計がされているのがわかります。
蓋の開閉ですが、手前側からしか開かないのが普通ですが、このシマノのICEBOX(アイスボックス)STは、奥側からも開くことができます。
また2つの取っ手を同時に引いて、蓋を外すことも可能です。
ただし、蓋を外すと冷気が逃げやすくなります。
パーツ名までは不明ですが、画像の白い部分が金具に引っかかり蓋のヒンジ部分となり、開閉ができる構造です。
ICEBOX (アイスボックス) ST 残念なところ
ICEBOX(アイスボックス)STの、残念だと思ったところは以下の通り。
筆者が感じた個人的感想です。ご了承下さい。
- 保冷構造 (グレード) とカラーが一致しない場合がある
- Made In Japanだが作りが少し粗い
それぞれの理由を見ていきます。
保冷構造 (グレード) とカラーが一致しない場合がある
これは「購入しようか」とか迷っている時に発生することですが、自分の欲しい保冷構造(グレード)とカラーが一致しない場合があるというところ。
例えば、上面・側面・底面の6面に極厚真空パネル+発泡ウレタンを配置した「ICEBOX PRO」の保冷構造(グレード)でサンドベージュカラーが欲しい場合、現在のところ存在しないため、保冷構造(グレード)かカラーのどちらかを妥協しないといけません。
また「保冷構造(グレード)は、STの発泡ウレタンパネルでいいけど、カラーはカーキが欲しい」という場合も、どちらかを妥協しないといけなくなります。
筆者はカラーでサンドベージュを選びましたが、保冷構造(グレード)はそこまで気にしていませんでしたので特に問題はなかったのですが、カーキのクーラーボックスが欲しい方は、現状 ICEBOX(アイスボックス)PROの一択になってしまい、ここまでの保冷力は必要ないという方もいるはず。
せめてスタンダードクラス (特に設定はないが…) 位のモデルには、カラーの選択肢があってもいいのではないかと感じました。
Made In Japanだが作りが少し粗い
購入前に「Made In Japanだから、きっと精巧な作りなんだろうな」と勝手に期待をしていました。
ですが、初めに届いた商品を見て「えっ!!」となりました。
画像で見てもわかるくらいの隙間や盛り上がりが、至るところにありました。
隙間がある方が正しいのか、盛り上がっている方が正しいのかは不明です。
「細かいな」と言われるとそれまでですが、そこそこの金額がかかっていることと、「メイドインジャパンでこの作りか」ということで、販売店さんに連絡を入れ画像を送り交換を申し入れしたところ、快く承諾していただけました。
「きっとあの個体だけだ」と期待を膨らませていましたが、再度送られて来た商品を見て…残念な気持ちに。
最初に来たものよりは多少マシな感じですが、同じような隙間や盛り上がりがありました。
また、購入したショップとは別のWebショップで使われている写真を拡大して見たところ、同じような隙間や盛り上がりが見受けられたため、こういうものだと思って現在使用しています。
後述で氷を入れて保冷力を試していますが、特に保冷力には無関係でした。
ただ、Made In Japanですが見た目の作りが粗いため、残念なところとして挙げています。
ICEBOX (アイスボックス) ST いいところ
ICEBOX(アイスボックス)STを実際に使用して、いいと思ったところは以下の通り。
- フタがどちら側にも開き外れる
- 保冷力がいい
- 軽い
- 水抜きの際に水栓をなくすことがない
それぞれを見ていきます。
フタがどちら側にも開き外れる
これは意外と便利です。
キャンプ前に車で買い出しに行った際などの、どちらからも蓋を開けることができるため、車載時に考える必要がありません。
また積載やキャンプ場でのレイアウトの際に、左右に荷物があっても、蓋を外して中身を取ることができます。
これは便利な機能だと思います。
保冷力がいい
ICEBOX(アイスボックス)STは、保冷構造(グレード)自体が上から3番目なので、正直保冷力はそこまで期待していませんでした。
しかし、後で実際に氷を入れて実験したことを紹介していますが、意外と保冷力があることが判明!
筆者的には、カラーもいいし保冷力もあって最適なクーラーボックスです。
軽い
以前に、海外製のロトモールド製法のクーラーボックスを使用していた事があったため、ICEBOX(アイスボックス)STを初めて持った時に、「軽い」と感じました。
特に同容量くらいの海外製のロトモールド製法のクーラーボックスと比較をすると、実感すると思います。
水抜きの際に水栓をなくすことがない
ハードクーラーボックスにある、水抜き用の口にある水栓は外れるものが多い中、ICEBOX(アイスボックス)の水栓は画像のようにヒンジ構造になっており、簡単に水抜きがでクーラーボックス本体に付いているため、水栓をなくすことがありません。
ICEBOX (アイスボックス) ST の保冷力実験
それでは、シマノ クーラーボックス ICEBOX (アイスボックス) ST の保冷力実験を、以下の条件で行いました。
一日目 | 二日目 | 三日目 | |
---|---|---|---|
最高気温 | 31.9℃ | 32.3℃ | 31.8℃ |
最低気温 | 26.4℃ | 27.2℃ | 27.7℃ |
天気 | 晴れのち雨 | 曇り | 晴れ |
時間 | 11:00開始 | → | 08:00終了 |
使用した氷はブロック4.5kg。場所は、沖縄本島で初日のキャンプ場 (タープ下で地面にグランドシートを敷いて観測) から始まり、自宅に戻ってからは太陽が軽くあたるベランダでコンクリートの地面に直接置いた状態で観測。
テスト開始 初日11:00 〜 12:00
初日11:00頃にデイキャンプに行く途中にスーパーへ立ち寄り、ブロック4.5kgの氷とポカリスエット500ml×2本と、ウィルキンソンの炭酸500ml×2本を購入して、予冷していないICEBOX (アイスボックス) STに入れて移動。
12:00頃にキャンプ場へ到着。その時の画像です。
天気は晴れで、ほぼ溶けていません。
15:00前から雨が降り始め、17:00頃には雨がやみ曇りに…
デイキャンプで、ポカリスエット500ml×2本と、ウィルキンソンの炭酸500ml×1本は飲み干しています。
8時間後 初日 19:00
19:00に自宅に到着して撮影。
薄っすらと氷が溶け始めています。
この時に残りのウィルキンソンの炭酸500ml×1本を抜きました。
10時間後 初日 21:00
テスト開始10時間経ちましたが、氷は少し溶けた程度。
この後は、翌朝までクーラーボックスの蓋は閉めた状態で、ベランダに放置。
夜中でも気温25℃以上はありました。
20時間後 2日目 7:00
テスト開始後20時間が経過。
少し溶けた程度で、まだまだ氷のブロックは崩れていません。
筆者のベランダは、やや南東向きのため朝が一番日当たりがよく暑いため、ここから正午までが一番暑いので一気に溶けそうな予感。
25時間後 2日目 12:00
12:00は筆者は仕事に行っていたため、妻に撮影を依頼。
7:00時点に比べると、だいぶ溶けてきたもののまだまだブロックは崩れそうにありません。
31時間後 2日目 18:00
帰宅後18:00に確認したところ、半分程度は溶けていましたが、氷のブロックは健在。
溶けた水もかなり冷えていました。
45時間後 3日目 8:00
3日目の朝8:00に確認したところ、完全に氷のブロックは跡形もなく消えていました。
ただし、中の水はかなり冷たい状態でした。
ICEBOX (アイスボックス) ST の保冷力実験 まとめ
氷が溶け切ったのが、夜中から朝方にかけてだったため、はっきりとした時間はわかりませんが、31時間後 時点で半分くらい氷が残っていたため、単純に考えると40時間前後まで氷が残っていたと思われます。
メーカーが出している最大氷保持期間は、容量比40%の氷をクーラーボックスに入れ、30℃ 9h-20℃ 15hで保管後に氷重量を測定し、氷が溶けきるまでの時間を算出しており、ICEBOX (アイスボックス) STの最大氷保持期間は約3.5日。
今回使用した氷のブロックが4.5kgのため、容量比20%の氷で実験をしているのと、常に25℃以上だったということを踏まえると、約40時間位の結果でしたが十分に検討したと思います。
筆者的にはここまで氷が持つとは思いもしなかったため、2泊3日のキャンプでも十分に対応できると感じました。
氷の容量や気温、クーラーボックスの内容物によって氷保持期間は異なります。
ICEBOX (アイスボックス) ST あとがき
シマノのクーラーボックス ICEBOX(アイスボックス)は、メイドインジャパンですが見た目の作りが少し粗くて残念な気持ちになりましたが、実際に氷を入れて実験をしてみた結果、思っていたよりも保冷力がよく、何よりもカラーが好みだったため、購入してよかったキャンプギアの一つになりました。
「作りが粗いのに、こんな金額掛けるのは…」という方には、あまりおすすめできませんが、多少作りが粗くても、保冷力が良くて軽くてアースカラーのハードクーラーボックスをお探しの方には、おすすめのです。
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