ヴィガスⅡ レビュー|サイドウォールを搭載した最強のソロ・デュオ用テント
今や最強のソロ・デュオテントと名高いogawaの「ヴィガス」
そのヴィガスが、2022年にリニューアルして「ヴィガスⅡ」として帰ってきました。
最大のリニューアルポイントは、フロントパネルにサイドウォールを搭載したところ。
初代ヴィガスとも比較しながら、ヴィガスⅡの魅力やレビューなどをご紹介します。
ヴィガスⅡ / ogawa
2018年に登場したヴィガスは、コンパクトながらに居住性にゆとりをもったドーム型テントで、発売当初はそこまでの人気はなかったものの、機能性などから段々と人気を獲得して、今ではソロ・デュオ最強のテントとまで言われるようになりました。
形状は異なりますが、どこか2017年に廃盤になった同ブランドogawaのシャンティ23を彷彿させるものがあります。
それでは、ヴィガスⅡのセット内容から見ていきましょう。
ヴィガスⅡ セット内容
ヴィガスⅡのセット内容は、以下の通り。
- フライシート×1
- インナーテント×1
- メインポール(ポールA)×2
- 前面立ち上げポール(ポールB)×1
- ひさし部ポール(ポールC)×1
- 張り綱2.5m×4
- アイアンハンマー×1
- スチールピン25cm×12
- 各収納袋
- 取扱説明書一式
ヴィガスⅡ 設営方法
それでは、ヴィガスⅡの設営方法をご紹介します。
筆者は1人で組み立てましたが、「テント設営時は、必ず2人以上で組み立て下さい」と取扱説明書には書かれてありますので、2名で設営することをおすすめします。
- STEP:1フライシートを広げる
まずフライシートを広げます。
この時フライシートの前後は、サイドにある三角形のベンチレーションで判断して下さい。ベンチレーションがある方が前方です。
この際、裾に付いているラダーロックを緩めておきます。
- STEP:2ポールAを接続してスリーブに通す
次にポールAを接続して、後方から前方に向けてフライシートにあるポールスリーブに押し込みながら通します。
一つが通れば、もう一つのポールAを同じように、後方から前方に向けてフライシートにあるポールスリーブに押し込見ながら通します。
- STEP:3前面裾にあるテープのピンをポールAに差し込む
ポールの先端を、フライシートの前面裾にあるテープのピンに押し込んで固定します。
- STEP:4後面裾にあるテープのピンをポールAに差し込む
フライシートをたぐり寄せながら、ポールの末端をフライシートの後面裾にあるテープのピンに押し込んで固定します。
この時、一人の場合は前方のテープピン付近をペグ等で簡易に固定しているとやりやすいです。(立ち上げたらペグを外します。)
もう一つのポールAも同じように、フライシートをたぐり寄せながら、ポールの末端をフライシートの後面裾にあるテープのピンに押し込んで固定すると、幕体が立ち上がります。
- STEP:5ポールBの取り付け
ポールBは、先端が赤色にペイントされているためひと目で分かると思います。
このポールBを接続して、前面側のポールスリーブに押し込みながら通していきます。この時ポールの中央が、ポールスリーブの頂上部に来るようにして下さい。
画像のように、フライシート側面裾部の赤いループが付いたピンに、ポールの両端を差し込み固定します。
- STEP:6プラフックでポールを固定
フライシートに装着されている、「プラフック」でポールを固定します。
この時、前面側のプラフックは、片側5個の両サイド合計10個。
また後面側は、片側2個の両サイド合計4個になります。
- STEP:7ポールCの取り付け
ポールCは、他のポールと比べて短いため、すぐにわかると思います。
ポールCを接続して、フライシート中央天井部のポールスリーブにポールCを押し込みながら通します。
この時、ひさし部分のテープを一杯に伸ばしておき、ポールの片側をハトメに差し込んで、テープの長さを調節してテンションをかけます。
- STEP:8ペグで固定する
全てのファスナーを閉めた状態で、合計6ヶ所をペグダウンします。
ペグダウンするのは、4コーナーとサイドの赤色のループが付いた箇所です。
またテントに張り綱を付けて補強します。(画像は張り網を付けていません。)
- STEP:9インナーテントを吊り下げる
インナーテントを吊り下げるにあたり、インナーテントの前後を見分ける必要があります。
インナーテントに三角のメッシュがある方が、背面側になります。
筆者的には背面をオープンして、吊り下げた方がやりやすかったです。
まずインナー背面のコーナーフックを、フライシートの背面リングに引っ掛けて、下から上へリングに引っ掛けていきます。
テント内に入り、インナーテントをフライシートのリングに引っ掛けていけば、インナーテントの設営完成です。
またテント内サイドに付属する、ビルディングテープポケットにビルディングテープを入れる方が、足元が安全です。
インナーは吊り下げずに、シェルターとしても使用できますので、その日の気分で考えてみるのもいいかもしれませんね。
ヴィガスⅡ ディテール
次にディテールを見ていきましょう。
ヴィガスⅡの収納袋には、ロゴ部分に画像のようなポケットが装備されています、。
また収納袋は左右とも、コンプレッションができる仕様になっています。
続いてポールやハンマー類は、下記画像の通り。
まずはポール類。左から
- メインポール(ポールA)
- メインポール(ポールA)
- ひさし部ポール(ポールC)
- 前面立ち上げポール(ポールB)
ひさし部ポール(ポールC)は短く、前面立ち上げポール(ポールB)は先端が赤色になっているためすぐに区別がつくと思います。
次にハンマー等の付属品。左から
- 張り綱2.5m×4
- アイアンハンマー×1
- スチールピン25cm×12
他のテントではあまり見かけることのない、アイアンハンマーが付属しています。
また張り網は4本、スチールピン(ペグ)は12本付属します。
設営後の本体ディテールを見ていきます。
まずは前面から見ていきます。
前面のファスナーは3つあり、1つ目のファスナーを開くとサイドウォールが出てきます。
次に2つ目のファスナーを開くとメッシュが登場。
3つ目のファスナーを開くと幕内へ入れる仕組みです。
前面上部には、2種類のタッセルが装備されており、大外の幕とメッシュと別々に巻き上げることができます。
続いて背面です。
背面のファスナーは2つあり、1つ目のファスナーを開くとメッシュが出てきて、2つ目のファスナーを開くと幕内へ入れる仕組みです。
背面も2種類のタッセルが装備されており、大外の幕とメッシュと別々に巻き上げることができます。
背面の上部には、ベンチレーションが装備されています。
画像のように、中の支えを立てることによってベンチレーション部分が開きます。
初代ヴィガスのマイナーチェンジ後に付いた、背面の大型メッシュはヴィガスⅡも健在です。
両サイドから見ると、フロントのポールによって高さがかなり高くなっていることがわかります。
両サイド入り口には、ひさし部分ができているため、雨天時にもサイドの上部を開けていても、雨が入りくくなっています。
インナーテント部分にはメッシュ部分はありませんが、サイド前方には三角のベンチレーションがあり、メッシュはもちろんのことフルクローズも可能です。
またファスナーが最後までなく、ポケットのようになってタッセルがないため、メッシュの際は折り込んで収納します。
サイドのドアパネルも、クローズ、メッシュ、オープンの三段階で使用できます。
サイドはタッセルが1種類しかないため、オープンにする場合は内幕とメッシュは一緒に巻き取る必要があります。
インナーテントはD型などではなく、O型というのでしょうか、画像のようにフルオープンすることができます。
インナーのドアを、入口横のポケットに収納できるようになっています。背面も同じようになっています。
インナー背面の上部には、フライシートのベンチレーションと同じ箇所にメッシュが施されているため、メッシュにすることでインナー内の換気をすることができます。
フライシート裾には、スカートが装備されているため、夏場は虫の侵入を、冬場は冷気や風の侵入を軽減してくれます。
またスカートをペグダウンができるよう、ループが装備されています。
それではソロ・デュオ最強テントと言わしめた、ヴィガスⅡの魅力を見ていきます。
ヴィガスⅡの魅力
実際に張ってみて感じた、ヴィガスⅡ 魅力は以下通り。
- サイドウォールを装備
- コンパクトながらにもゆとりの構造
- 通気性の優れたデザイン
- 様々なアレンジ張りが楽しめる
それぞれを見ていきます。
サイドウォールを装備
ヴィガスⅡの最大の魅力は何と言っても、フロントパネルのサイドウォール。
今までのヴィガスにはなかった機能で、サイドウォールを使うことで雨や風を軽減し、更にプライバシーも守ってくれます。
サイドウォールは、ファスナーを外して広げることも可能で、まるでタープのように張ることができます。
ちょっとしたタープ代わりになるため、タープが必要ありません。
コンパクトながらにもゆとりの構造
従来のドーム型テントにはない、前室上部に高さを稼ぐためのポールがあり、前室の最高部はなんと192cmと余裕の高さ。
身長165cmの筆者だと、立ったままテント中央部まで頭がつかずに動けるため、快適でした。
腰痛持ちの方に、最適な空間を与えてくれます。
またインナーテントを吊り下げても、広々とした前室を設けることができ、コンパクトでありながらも、ゆとりの構造をしています。
通気性の優れたデザイン
ヴィガスⅡは通気性の優れたデザインをしています。
前面、サイドをフルオープンに、またその部分をメッシュにすることも可能になっています。
マイナーチェンジ後の初代ヴィガスにもあった、背面の大型メッシュも引き継いでおり、インナーを外して小型シェルターとしても利用できます。
前面・サイド・背面全てをメッシュにすると、気持ちいい風が快適にテント内を抜けてくれるため、本当に心地良い感じでした。
もちろん背面はフルクローズすることもできます。
様々なアレンジ張りが楽しめる
ヴィガスⅡ は、様々なアレンジ張りが楽しめます。
フルクローズはもちろんのこと、前面・サイド・背面をフルオープンすることもできます。
またフルメッシュや、フロントパネルをキャノピーすることもできます。
更にキャノピー時にサイドウォールを出したり、サイドウォールをタープのように張ることもできます。
付属のインナーテントを吊り下げてテントとしても、吊り下げずにシェルターとしても利用ができ、様々なシチュエーションによって、張り方を変えることができます。
ヴィガスⅡ 残念なところ
ヴィガスⅡを実際に張ってみたところ、残念なところは個人的に全くありませんでした。
強いて言うならば、メインポールが硬いところくらい。
これもogawa製のテントを張ったことがある方は、「このくらい力を入れないと…」とわかっているためそこまで感じないかもしれませんが、初めてogawa製のテント等を張る方はかなり硬く感じ、「これ以上やったら折れないかな…」と思うかもしれません。
こちらも慣れと時間が経つにつれて、ポールにしなりが出てくるため、何回か張っていくうちに張りやすくなっていくことでしょう。
現在、雨天時での設営は行っていませんので、出てくるかもしれません。ご了承下さい。
ヴィガスⅡ 仕様
使用時サイズ(最大値) | 356×258×192cm |
---|---|
収納時サイズ | 70x30x26cm |
重量 | 総重量:約11.51kg フライ:約4.96kg インナー:約1.6kg ポール約:2.8kg 付属品:約2.15kg |
材質 | フライ:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm) インナー:ポリエステル68d グランドシート:ポリエステル210d(耐水圧1,800mm) ポール:6061アルミ合金(φ14.5mm、φ11.8mm) |
付属品 | 張り綱2.5m×4本、アイアンハンマー1丁、 スチールピン25cm×12本、収納袋 |
ヴィガスⅡ 価格
¥97,900(税込)
2024年2月17日現在
ヴィガスⅡと初代ヴィガスと比較
それでは、ヴィガスの旧モデル(初代)とどこが変更になったのか、比較してみました。
仕様の比較
まずは仕様から。
ヴィガスⅡ | ヴィガス(初代) | |
---|---|---|
使用時サイズ(最大値) | 356×258×192cm | 356×258×192cm |
収納時サイズ | 70x30x26cm | 70×30×26cm |
重量 | 総重量:約11.51kg フライ:約4.96kg インナー:約1.6kg ポール:約2.8kg 付属品:約2.15kg | 総重量(付属品除く): 9.0kg フライ:4.4kg インナーテント:1.7kg ポール:2.9kg |
材質 | フライ:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm) インナー:ポリエステル68d グランドシート:ポリエステル210d(耐水圧1,800mm) ポール:6061アルミ合金(φ14.5mm、φ11.8mm) | フライ:ポリエステル75d(耐水圧1,800mm) インナーテント: ポリエステル68d グランドシート: ポリエステル210d メイン/フロントポール:アルミφ14.5mm リッジポール: アルミφ12.8mm |
付属品 | 張り綱2.5m×4本、アイアンハンマー1丁、 スチールピン25cm×12本、収納袋 | 張り綱、アイアンハンマー、スチールピン、収納袋 |
サイズと付属品は全く同じで、ポールの経が12.8mmから11.8mmへ変更。
重量はインナーテントとポールが約100g軽くなっており、フライはサイドウォールを搭載した分、約520g程重くなっています。
フォルムの比較
続いてフォルムの比較を見てきます。
見る限りだとフォルムは同じで、ヴィガス独特のサイドのひさしも引き継がれた形です。
メッシュになる部分も引き継がれており、通気性に優れ夏場は快適に過ごせそうです。
また、2021年にマイナーチェンジした背面のメッシュも引き継がれています。
見ての通りカラーは一新しており、好みは分かれるかもしれませんが、個人的にはヴィガスⅡの方が好みです。
一番の違いは、ヴィガスⅡ最大の特徴の一つフロントパネルのサイドウォールがあるかないか。
サイドウォールは、風や雨の吹き込みを軽減してくれ、プライベート感も増すため、あるととても便利です。
価格の比較
- ヴィガス(初代):¥71,500(税込)
- ヴィガスⅡ:¥82,500(税込) 2022年時点
価格は2022年6月の時点で、ヴィガスⅡの方が¥11,000(税込)高くなっていました。
2021年12月にogawa製品の価格改定が行われており、もし初代ヴィガスが現行機種として残っていたとしても、価格が上がっていたはずなので、価格改定+サイドウォール追加を含めた価格の上昇だと思えば、そこまで値上がったように感じません。
しかし、2022年12月の価格改定により、現在の価格¥97,900(税込)に値上がりしたため、¥26,400の値上がりとなりました。
比較まとめ
価格は上がりましたが、ヴィガスの設営しやすさとテント内の過ごしやすさにプラスして、サイドウォールを装備したことで、さらに最強のソロ・デュオテントになったのではないかと感じました。
ヴィガスⅡ あとがき
販売当時は入荷すると即完売のテントという大人気ぶりだった「ヴィガスⅡ」。
実際に使用してみて、最強のソロ・デュオ用テントだと思いました。
最近、ogawaのテントやシェルターがセールになっていることが多いのですが、ヴィガスⅡも対象になっていることが多いため、是非ソロ・デュオキャンプをされる方は、テント選びの際に候補の一つに入れてみて下さい。
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