【トランギア ストームクッカー 27-1 HAレビュー】シンプルな究極のクッカーセット!
キャンプで料理を作る際、どんなキャンプ用品・ギアを使われますか?
焚火缶、焚き火フライパンなどのクッカーや、SOTOのレギュレーターストーブ ST-310などのシングルバーナー、各メーカーのツーバーナーなどを使用されている方が多いのではないかと思います。
私もそうでした。
ガスバーナーは火力の調節が簡単にでき、ほとんど燃料の計算もせずに(まだ燃料はあるなくらいの感覚だけ)調理ができるため、とても扱いやすいギアだと思います。
しかし、最近は火力調整がしづらいアルコールバーナーの楽しさにどっぷりとはまり、どうせならアルコールバーナーの能力が最大限に発揮できる「トランギア ストームクッカー」を購入しようと、トランギア(Trangia)の本社スウェーデンから日本未発売のモデル「ストームクッカー 27-1 HA」を取り寄せしました。
取り寄せた際の忘備録を別記事にて書いていますので、そちらも併せてご覧い下さい。
それでは今回は、取り寄せた「トランギア ストームクッカー 27-1 HA」の使用レビューと、ストームクッカーにはどんな種類があるのかなどをご紹介します。
ストームクッカー / トランギア
ストームクッカーとは?
1925年にスウェーデンで設立された、キャンプ用調理器具メーカー「トランギア」社のアルコールバーナー、クッカーとハンドル、そしてウインドシールドがセットになった、フラッグシップモデルともいえるクッカーセット。風が吹けば吹くほど火力が強まるよう設計されています。
ヘリノックス(Helinox)のチェアや、スノーピークのシェルコン(シェルフコンテナ)などと同じで、キャンプを始めた頃に、今後絶対買わないだろうと思っていたキャンプ用品・ギアの一つです。
キャンプスタイルは、本当に変わるもんなんですね。
結論から先に言ってしまうと、トランギア ストームクッカーは「何でもっと早くに購入しなかったのだろう?」と思ったくらい、買ってよかったキャンプ用品・ギアの一つになりました。
そんなですが、現在日本で取り扱われているストームクッカーは全部で10種類。
下記の内容で、大きく分類されています。
- ストームクッカー サイズ
- ストームクッカー 材質
ストームクッカー サイズ
サイズはSサイズと、Lサイズの2種類のみで、Mサイズはありません。
製品コードが25シリーズがLサイズ、27シリーズがSサイズになります。
トランギアの公式Webサイトでは、およその人数によってサイズが分けられていました。
- Sサイズ(27シリーズ):1〜2人向けサイズ
- Lサイズ(25シリーズ):3〜4人向けサイズ
Sサイズはソロ・デュオ向け、Lサイズはファミリー向けのサイズと考えられます。
ストームクッカー 材質
ストームクッカーはサイズだけでなく、材質によっても種類が異なります。
- ウルトラライト アルミニウム(UL)
- ウルトラライト ハードアノダイズド アルミニウム(HA)
- ブラック / ノンスティック(BK)
- デュオーサル(D)
メインの材質ごとに解説していきます。
ウルトラライト(UL)
アルミニウムは軽量で熱伝導率の高い素材。
中でもトランギアのウルトラライト アルミニウム(UL)は、通常のアルミニウムに比べて50%の強度があるため素材を薄くすることができ、ストーブの軽量化につながっています。
日本で取り扱いがあるのは、以下の2種類。
- ストームクッカーL・ウルトラライト(TR-25-3UL)
- ストームクッカーS・ウルトラライト(TR-27-3UL)
- フライパン:ノンスティック
- ソースパン:ウルトラライト
- ウインドシールド:ウルトラライト
フライパンのみノンスティック加工されているモデルで、サイズが2種類あります。
ハードアノダイズド(HA)
ハードアノダイズド加工は、硬くして傷をつきにくくする表面処理で、アルミニウムに発生する摩耗や腐食から保護をしてくれます。
またULよりも若干洗浄しやすく、重量はULと同じ。
日本で取り扱いがあるのは、以下の2種類。
- ストームクッカーL・ULハードアノダイズド(TR-25-3HA)
- ストームクッカーS・ULハードアノダイズド(TR-27-3HA)
- フライパン:ノンスティック
- ソースパン:ハードアノダイズド
- ウインドシールド:ハードアノダイズド
こちらもフライパンのみ、ノンスティック加工がされているモデルです。
在庫が品薄で価格が高騰している場合がありますので、購入時は必ずお確かめ下さい。
ブラック / ノンスティック(BK)
テフロンとも呼ばれるこの加工は、主にフライパンに使用されています。
こびりつかないため、手入れが簡単です。
ただし、ノンスティックはデリケートな素材のため、木製やプラスチック製の道具を使う必要があります。
ノンスティックには、ウインドシールドが通常のアルミモデルと黒色塗装を施したブラックモデルがあります。
- ストームクッカーL・ノンスティック(TR-25-5UL)
- ストームクッカーS・ノンスティック(TR-27-5UL)
- ストームクッカーL・ブラックバージョン(TR-35-5UL)
- ストームクッカーS・ブラックバージョン(TR-37-5UL)
- フライパン:ノンスティック
- ソースパン:ノンスティック
- ウインドシールド:ウルトラライト or ブラック
「ストームクッカーL・ノンスティック(TR-25-5UL)」と、「ストームクッカーS・ノンスティック(TR-27-5UL)」は、トランギア(日本)のフラッグシップ/スペシャリティショップ限定商品になります。
デュオーサル(D)
トランギア社独自のスーパーラミネートで、外側には熱伝導性の高いアルミニウム、内側にはステンレススチールを高圧で押し付けています。
これによりフライパンは傷がつきにくく、手入れが簡単になります。
- ストームクッカーL・デュオーサル(TR-25-5UL)
- ストームクッカーS・デュオーサル(TR-27-5UL)
- フライパン:デュオーサル
- ソースパン:デュオーサル
- ウインドシールド:ウルトラライト
在庫が品薄でない場合や、価格が高騰している場合がありますので、購入時は必ずお確かめ下さい。
ストームクッカー オプション
ストームクッカーには、様々なオプションがあります。
これらは必須ではありませんが、あるとかなり便利になるものばかりで、個人的にはおすすめです。
- パンスタンド
- マルチディスク
- EVAケース
パンスタンド
Sサイズ、Lサイズ問わず、ゴトクの上に乗せて使用するものです。
これをつかうことにより、直火式のエスプレッソメーカーや小型のクッカーを乗せることができるようになります。
マルチディスク
湯切りや、まな板の代わりもなるマルチディスクは、かなり便利です!
また思っていたよりも分厚く、スタッキングの際にフライパンの内側に入れるため、ソースパンなどがガサガサしにくくなります。
サイズは「21cm」と「18cm」の2つありますので、購入時はお間違えないように…
EVAケース
移動中にガシャガシャならないようにと思って購入しました。
またクッション性もあるため、ストームクッカーに傷や凹みがつきにくくなります
画像はSサイズですが、ピッタリと収納ができるのがわかります。
こちらも、Lサイズ用とSサイズ用があるため、購入時は気をつけて下さい。
トランギア ストームクッカー 27-1 HA レビュー
筆者が購入した「トランギア ストームクッカー 27-1 HA」は、上記の中には存在しません。
日本で未発売のモデルとなりますので、トランギアの本社スウェーデンより取り寄せしました。
「トランギア ストームクッカー 27-1 HA」は、アルコールバーナーとハンドルを除くフライパンなどのクッカーとウインドシールド全てがハードアノダイズド加工を施したモデルになります。
現在日本で発売されているデュオサール以外のモデル全てのフライパンの内側が、ノンスティック加工がされており、調理や手入れをする際はとても簡単で便利なのですが、空焚きや空焚きに近い調理をすると痛めやすいため、ノンスティック加工がされていないものが欲しくて、スウェーデンのトランギアより寄せました。
スウェーデンのトランギアでは、日本で扱いのない商品も多数あり、「こんなモデルもあるんだ!」と驚くこと間違いなしです!
Trangia Webshop
ただし、商品によっては日本へ送ることができないものもあるため、購入前に事前確認されることをおすすめします。
それではディテールからご紹介します。
ディテール
フライパン、ソースパン×2、ウインドシールド(上・下)、アルコールバーナー、ハンドルをスタッキングして、ストラップで止めている状態です。
非常にコンパクトなことがわかるかと思います。
フライパンとソースパン2つは、こんな感じです。
ソースパンは、内側と外側のパンが決まっており、内外を間違えるとスタッキングができない仕組みです。
ウインドシールドの上側(アッパー)は、ソースパンを使用する際に五徳を内側、フライパンを使用する際に五徳を外側にして使います。
ウインドシールド下側(ロアー)は、中央にアルコールバーナーやガスバーナーを設置して使用します。
ガスバーナーは日本では発売されていません。
アルコールバーナーや、ハンドルも付属しています。
セット内容
トランギア ストームクッカー 27-1 HAのセット内容は、上記の画像の通りです。
- フライパン
- ストラップ
- ソースパン×2
- ウインドシールド(アッパー&ロアー)
- ハンドル
- アルコールバーナー
残念なところ
使用しましたが、筆者的には現在全く残念なところが見当たりませんでした。
あれば、今後追記します。
ガスバーナーと比べるとアルコールバーナーは火力調整が難しいなどは除きます。
2021年7月14日現在
いいところ
実際にストームクッカー 27-1 HAを使用してみて、感じたいいところをピックアップしました。
個人差はあると思います。また素材やサイズなどモデルによっては異なります。
- コンパクトにスタッキングできる
- 火力が強い
- フライパンがこびりつきにくい
それぞれを見ていきます。
コンパクトにスタッキングできる
フライパン、ソースパンが2つに、ウインドシールドとアルコールバーナーにハンドル、パンスタンドにマルチディスクをスタッキングして、約φ18×H10cmに収まるんですから驚きです。
フライパンを外すと、中にはマルチディスクとパンスタンドがあり、中の物を固定してくれる役割をしてくれています。
更に純正ではありませんが、エスビットのハンドルを傷防止のためMURAのケースに入れ、同じく傷防止のためTragiaのケースにガスバーナーを入れて、アルコールバーナーと一緒にソースパンの中に収納しています。
ソースパンは一瞬1枚に見えますが、2枚が重なった状態です。
これだけのものが、コンパクトにスタッキングできます。
ソロキャンプだと、個人的には必要なものがほとんど揃っているではないかと思います。
ガスバーナー、パンスタンド、マルチディスクとエスビットのハンドル、MURAとTrangiaの収納ケースは別売です。
火力が強い
これは思った以上でした。
ウインドシールド越しに、火柱が立っているのが見えるでしょうか?
実際に使用してみるまで、「水は沸かせても、炒めものはどうかな…」と思っていただけに思った以上の火力に驚きました。
意外と早く炒めることができました。
ガスバーナーに比べると水が沸騰するまで時間がかかりますが、個人的には気にならないレベルでした。
フライパンがこびりつきにくい
ベーコンエッグを作ったフライパンをすすいで拭き取っただけの画像ですが、思っていたよりもこびりつきが少なかったです。
以前に焚火缶のフタ(アルミ)をフライパンで使用した際は、かなりこびりつきがあったため、ハードアノダイズド加工が効いているのだと思います。
またこびりついた場合は、水をフライパンに注ぎ沸騰させると、ある程度のこげは取れます。
こちらも思った以上の結果でした。
参考になるかわかりませんが…
即席の袋麺はサイズによるかもしれませんが、お湯に投入したすぐは画像のように入りませんが、しばらくすると下の方がほぐれてきて、全ての麺がお湯に浸かります。
また同じようなカラーのため、トランギア純正のハンドルを使用せずに、エスビットのハンドルを使用していましたが、ここで問題が発生!
お湯を沸かしたソースパンを持ち上げようとすると、エスビットのハンドルだと引っかかってしまい上手く挟めませんでしたが、付属していたトランギア純正のハンドルはすんなりと挟めて持ち上げることができました。
他メーカーのハンドルを使用する場合、一度ソースパンをストームクッカーに入れた状態で挟めるか試しておいた方がいいです。
私はたまたま2個持って行っていたため、事なきを得ましたが…
あくまでも、ご参考に…
仕様
フライパン | Φ18㎝ |
---|---|
ソースパン | 1.0ℓ×2 |
収納サイズ | φ18×H10cm |
重量 | 690g |
材質 | ハードアノダイズド(アルコールバーナー、ハンドル除く) |
セット内容 | フライパン,ソースパン×2、ハンドル、アルコールバーナー ストラップ、ウインドシールド(アッパー&ロアー) |
価格
€103.87
2021年7月15日現在
問い合わせたところ、ガスバーナーセットは日本へ輸出できないとのことです。また価格が異なる際は、国の設定を「SE」や「EU」から「INTERNATIONAL」に変更して下さい。
トランギア ストームクッカー 27-1 HA あとがき
これは本当に購入してよかったと思いました。
「何でもっと早く購入しなかったのだ」と、自分を問いただしたい気分ですw
日本で取り扱いのあるモデルは10種類ですが、スウェーデンのトランギアのWebshopだと約40種類ほど(全て取り寄せできるかは不明)あるため、筆者のように「フライパンだけどないかならんかな」と思われる方は、一度ご覧になられてみて下さい。
きっとあなたにあったストームクッカーが見つかるはずです。
Trangia Webshop
なかには日本へ輸出できないものもあるため、取り寄せをされる場合は、必ず確認されてから購入された方がいいかと思います。